工事代金等が回収できないときは?
先日、万博の工事の下請けした業者が、代金をもらえなくて困っている、という報道がありました。
民間工事等の取引では、請負した業務を完了したにもかかわらず、発注した側の都合でその代金が支払われないことが、たまにあることは事実です。税務上は、請負業務の完成があれば売上が確定するので、決算時に代金が未収でも売上を計上することになります。(所得税法基本通達36-8ほか、法人税法基本通達2-1-21の2ほか)
未収となっている代金なら、経営者として回収努力をすることは当然ですが、どうしても回収できないときはどうしたらよいのでしょうか。
税法上(具体的には通達の規定になりますが)もこのような回収不能の事態を想定しており、貸倒損失を計上するための要件について、①「その債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合」か、②「債務者との取引の停止をした時以後1年以上を経過したこと(だだし、この場合の「取引の停止」は、継続的な取引を行っていた債務者につきその資産状況、支払能力等が悪化したため、その後の取引を停止するに至った場合をいう)」等と書いてあります。
つまり、相手方の資産状況や支払能力を自力で調査して確認しないと、貸倒損失を計上できないので、内国法人であるならまだしも、報道のように外資もしくは外国法人だと、かなりハードルが高いことになりそうです。外国にも情報網があるリサーチ業者等に調査依頼するしかない、といったところでしょうか。
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